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対談|イメージに接近する マティス展をめぐって 藪前知子×池田剛介

対談|イメージに接近する

マティス展 Henri Matisse: The Path to Color をめぐって

藪前知子×池田剛介

2023年7月7日(金) 20:00-22:00 オンライン配信

オンライン配信チケット|1000円

オンライン配信チケット+『Jodo Journal 4』セット|2300円

※配信チケット購入の方は、配信から一週間アーカイブをご覧いただけます。
※Zoomを使用して配信を行います。jodofukugoh@gmail.comより前日21時過ぎ、当日18時ごろに配信URLをお送りします。携帯アドレスの方はドメイン指定受信などの設定にご注意ください。

 

[概要]

日本では20年ぶりとなる大規模なマティス展が、東京都美術館で開催中です。本対談では、企画担当学芸員である藪前知子さんとともに、今回の展覧会や展示作品をめぐって議論を行います。

2004年に国立西洋美術館で開催された「マティス展(Henri Matisse: Processus / Variation)」は、シェンダーやセクシュアリティ、オリエンタリズムといった論点をふまえながら、しかしマティスを社会-政治的な問題の反映として還元することなく、その矛盾に満ちた造形的プロセスや主題の変奏に注目する画期的な展覧会でした。今回の日本での展覧会は、この20年前の展示も含む近年のマティス展との関連において、どのような意義をもつのでしょうか。

図録に所収された論文において藪前さんは、1914年に描かれた《コリウールのフランス窓》《金魚鉢のある室内》《金魚とパレット》の三作品を軸に、マティスの描いた「窓」をめぐって論じています。これらの窓は、室内と屋外をつなぐ通路となる一方で、黒く塗りつぶされて閉じられた壁ともなる。こうした窓の多義的なありようは、マティス芸術の一筋縄ではいかない多面性を考える上で重要なヒントとなるでしょう。

対談では展覧会に出品されているいくつかの作品に深く接近しながら、マティスの魅力と謎を検討していきます。本対談が今回のマティス展や作品について深く考え、また楽しむためのきっかけとなれば幸いです。(池田剛介)

*本対談は浄土複合ライティング・スクールの公開講座として開講します。

 

講師プロフィール

藪前知子|やぶまえ・ともこ

東京都美術館学芸員。2002-22年、東京都現代美術館学芸員を経て現職。担当した主な展覧会に「大竹伸朗 全景 1955-2006」(2006)、「山口小夜子 未来を着る人」(2015)、「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(2015)、「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」(2020-21)、「クリスチャン・マークレー 翻訳する[トランスレーティング]」(2021、以上東京都現代美術館)、「マティス展」(2023、東京都美術館)。

 

池田剛介|いけだ・こうすけ

1980年生。美術作家、作品分析。京都教育大学非常勤講師。2019年より京都にてアートスペース「浄土複合」をディレクション。著書に『失われたモノを求めて 不確かさの時代と芸術』(夕書房、2019年)。主な展覧会に「「新しい成長」の提起 ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」(東京藝術大学大学美術館、東京、2021年)、「あいちトリエンナーレ2013」(愛知、2013年)など。現在、マティス論を準備中。